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受賞者一覧

令和6年度/第46回受賞者

食品産業部門(経営革新タイプ③)(2024)
農林水産大臣賞

株式会社ニッスイ

代表取締役 社長執行役員 最高経営責任者(CEO):浜田 晋吾
所在地:東京都港区
業種:食品製造業
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【功績申請の概要】

  • 毎日1食4.5g以上食べると速筋(筋肉量)が増加するスケソウダラのタンパク質の当社研究成果は、筋肉量が減少する高齢者や近年では若年層等の様々な年代に向けても有効な対策であることが確認されている。その研究成果の有用性を「速筋タンパクブランド」として商品化。日常の食事に手軽に取り入れてもらうために、ニッスイならではの横断カテゴリーで製品群を展開している。

●功績申請の具体的内容

(開発・製造状況)

毎日1食4.5g以上食べると速筋(筋肉量)が増加するスケソウダラのタンパク質「速筋タンパク」を商品化。日常の食事に手軽に取り入れてもらうために、ニッスイならではの横断カテゴリーで製品群を展開している。業務用冷凍食品「ご馳走たらカツ」「ちくわ」「かにフレーク」「ソーセージ」「チーズかまぼこ」「粉末飲料」「粉末スープ」、スケソウダラをミンチ状にして様々なメニューに活用できる「おさかなミンチ」等をラインナップ。

(製造方法の改良・高度化(独創性、高度性等))

「ご馳走たらカツ」は、軽くてサクッとした衣の食感に仕上げ、幅広い層に食べやすくしている。「ちくわ」「かにフレーク」「ソーセージ」「チーズかまぼこ」は、毎日食べられるように減塩仕様とし、減塩でもおいしく食べられるように工夫している。「粉末飲料」や「粉末スープ」は、スケソウダラのすり身を独自技術で粉末加工したパウダーを使用。「粉末飲料」には、栄養補給のためにカルシウムやビタミンCなどの栄養素を加えた。「おさかなミンチ」は、原料をすり身からフィッシュブロックに変更し、特許技術の機械でパラパラ状に加工することで、無添加でスケソウダラ100%のミンチを生産することに成功した。

(研究・開発体制)

スケソウダラ(タラ目)の機能性研究より速筋由来タンパク質に筋肉増加作用を発見し、基礎から臨床まで様々な研究を実施している。研究は、産官学連携の「知」の集積と活用の場(農水省)のプラットフォームを中心に進めており(2024年度18施設参画)、基礎では、筋肉を肥大させるために通常運動介入が必要なところ、速筋由来タンパク質は、栄養介入のみで筋肥大を起こすことは、これまでに確定させた。現在は、細胞試験などを活用したメカニズム解明研究に着手している。臨床では、様々な年代(高校生~高齢者、要支援・要介護認定者)での有用性を確認し、現在は、疾患別による臨床研究を進めている。

(販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進)

「速筋タンパク」が持つ機能や効果が支持され、冷凍宅配弁当、スポーツチームや学校給食、老健、病院への採用も加速。自社通販サイトやドラッグストアでも堅調に販売。ターゲットへの接触機会を増やすため、店頭やスポーツイベントでのサンプリング活動を実施、ブランド認知を拡大。

(市場開発・普及度)

スケソウダラのタンパク質を毎日4.5g以上摂取すると筋肉量が増加する当社研究結果により、筋肉量が減少する高齢者や近年では若年層等様々な年代に向けても有効な対策であることが期待されている。また練り製品業界においては健康志向層への拡売へも貢献。

(外部との連携、社会への貢献)

〇北海道鹿部町におけるスケソウダラを活用した町おこしに協力。地産地消のきっかけとして地域住人の筋力増加を支援する講演会の開催。
〇各市町村(長野、兵庫県中心)の食改善委員会などへのセミナーの開催(3-5回/年)
〇高齢者スポーツ団体(グランドゴルフ、エアロビなど)や高校・大学(野球、サッカー、ラグビー部など)への栄養セミナーの開催(20-30回/年)
〇2020年長野県東御市と食とスポーツに関する連携協力の包括協定を締結。東御市湯の丸高原(標高1,735m)にある高地トレーニング施設内併設の「ニッスイ湯の丸アスリート食堂」で「速筋タンパク」を取り入れた食事でトップアスリートのカラダづくりをサポート。
〇東御市が整備を進める本施設で実践されている高地トレーニングは、酸素運搬や筋肉の機能改善によりパフォーマンス向上につながることが期待されており、多くのトップアスリートが練習に取り入れています。一方、ニッスイでは水産資源由来の速筋タンパクやサバなどの青魚の脂肪に多く含まれ、血中の中性脂肪を減らすとされる等の栄養素として知られるEPAを通じたカラダづくりのサポートを展開しています。その両者が協力することにより、食事の面からアスリートのコンディション維持とトレーニング効果の向上を図り、アスリートから選ばれる高地トレーニング環境を整えること、また食に関する啓発活動や情報発信を行い、市民の健康づくりにも貢献することを目指します。