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受賞者一覧

令和5年度/第45回受賞者

CSR部門(2023)
農林水産省大臣官房長賞

有限会社グルメフレッシュ・フーズ

代表取締役:松本 健
所在地:群馬県前橋市
業種:食肉、食肉副生物卸及び加工販売
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【功績申請の概要】

  • 一人一人の状況に寄り添った個別の雇用契約による雇用創出、育児との両立支援の一環としてのパート従業員への手当支給、社員への育児介護休暇取得についての掲示など、制度促進と環境整備に取り組んでおり、県より「群馬県いきいきGカンパニー ゴールド」の認定を得た。
  • 常時4、5カ国の国籍の従業員と障がい者や高齢者がおり、経営理念の一つである「地域・社会の発展と思いやりある人づくりに努力します」の実現等のため、月1回のお誕生日会やありがとうカード活動等を行っている。
  • 創業以来「安心とおいしさをまごころこめて」をミッション&バリューとし、徹底された品質管理と衛生管理のもとで作られる安全、安心でおいしい食品の提供を通じて社会貢献を実現することを基本理念としている。

●功績申請の具体的内容

ガバナンスの充実

○経済、環境、社会のインパクトを特定しマネジメントする体制

食品の安全と品質確保を目的とした国際認証規格のSQF認証を基盤としたマネジメントを基本としている。SQF認証には、経済に関する事項、安全衛生や法令への適合状況などを含む環境に関する事項、従業員の雇用契約内容を含む労働環境や管理状況、地球環境に配慮した事業活動を行っているかをどうかなど社会に関する事項が含まれる。毎月、外部経営顧問も参加する経営会議で現状の課題や法改正などによる社内対応などの変化する経営環境を議論している。また、毎週経営トップも参加したクレーム対策会議を行っている。

○ステイクホルダーとの対話などの説明責任を果たすための取組

・金融機関には毎月試算表の提示と業況説明を行い、現状課題や将来展望などを共有している。

・従業員には、金融機関や外部関係者も参加する年次経営計画発表会で経営計画を報告し共有している。また、全従業員を対象に年次で個別に社員面接を実施し、外国人技能実習生については毎月実施している。

・顧客とは、定期的な商談を実施し、継続的、有益的な意見交換を行っている。安全安心な食品製造を実現するために製造情報を細かく記録し、必要に応じ顧客に開示する体制となっている。

・近隣地域については、工場に隣接する住民を年二回訪問し、対面でコミュニケーションをとっている。地元自治会の行事への支援や弊社工場の即売会の収益の一部を寄付し、地域貢献に努めている。

(環境、社会への取組)

 ○温室効果ガスの排出、原材料調達、廃棄物、水の利用など環境への取組

・フードロス削減の取組として、豚肉の人気部位のみの仕入れではなく、一頭買いの定期定量を基本としている。需要の少ないカシラ肉をプルコギ味に加工した商品を開発するなど、その活用に取り組み、食品廃棄物の減少で社会問題解消に貢献している。また、レトルト殺菌機の導入によって常温保存1年の賞味期限を実現し、フードロス削減への貢献、災害時の備蓄等としての活用、保管や運送時のエネルギー削減に貢献する商品となっている。

・温室効果ガスの排出対策では、使用電力が増加した際に、総務より社内へ電力削減の要請を行い、不要な個所の電気を消す活動をしているとともに、順番で省電力機器への入替を実施している。

・水環境への配慮として、工場排水に殺菌・脱臭効果の高いオゾン処理を行うなどの取組を行っている。

○雇用、労働安全、研修と教育、ダイバーシティの確保など従業員への配慮及び、調達における人権尊重など社会課題への取組

・子育て世代の働き方に特に配慮し、子育て中のパート従業員とは個別の雇用契約を結び、学校行事や子供の体調不良などに配慮した働きやすい環境づくりに取り組んでいる。また、男性社員の育児休暇も推進している。育児・介護と仕事の両立、職場における女性の活躍推進、従業員のワークライフバランスの推進などに取り組む県内の事業所として、「群馬県いきいきGカンパニ― ゴールド」の認証を受けた。当社規模の食品製造会社でこの認証を受けている例は少ない。

・常時4、5カ国の国籍の従業員が在籍し、障がい者や高齢者もいる中で、従業員同士のコミュニケーションや思いやりを育むため、月1回従業員の誕生日会やありがとうカード活動等を行っている。

・従業員の能力開発や労働環境整備にも注力し、年に一度、社長自らが全従業員と面談を実施し、本人の状況や困りごと、今後のキャリア形成の要望などを聞き、雇用契約やその年度の個々の目標へ反映している。

(消費者、取引先への配慮)

○商品の品質を保証するための体制の整備その他顧客の満足への配慮及び適正取引の推進など取引先への配慮

・経営理念「安心・安全・感動を追求し、皆様に笑顔をお届けいたします」の実現や、社会から必要とされる企業となるため、国産原料を主に用いたり、添加物の少ない商品の開発など、安心して食べられるものづくりに日々取り組んでいる。

・商品開発では、顧客ニーズの実現化のため、顧客の要望する商品の打合せや試作を行いながら商品化に対応していく体制となっている。

・異物・クレーム対応には特に注力しており、毎週、社長以下、営業部門、製造部門、品質管理部門、総務部門すべての部署が参加するミーティングを行いい、情報共有、再発防止に取り組んでいる。

・食品の安全については、HACCPを軸に製品の製造・管理を行っており、安全確保、品質管理の徹底に努めている。2021年に食品製造の衛生管理と品質の国際規格であるSQF(食品安全システム)認証を取得。1日数回、品質管理担当者が現場を巡回し、品質・衛生の向上に努めている。製造情報は記録化を徹底することで入口から出口まで確実に把握できる体制を整えており、顧客から開示要請かあれば開示している。

・適正取引推進では、コンプライアンス経営を重視した経営体制で、社員には法令順守、食品衛生の指導を行っている。社員行動原則の中で接待や賄賂の授受の禁止を明示し、透明性で適正な取引に努めている。

○事業活動を通じた健康・栄養などの社会課題の解決への貢献

・レトルト殺菌機の導入により常温で1年の賞味期限を実現した。

・SQF認証を取得・更新。本認証では安全な労働環境、地球環境に配慮した事業活動が求められ、外部機関による審査、認証、監査がある。工場敷地内の環境の確認や、労働者の雇用契約内容、勤務記録や賃金支払い状況、安全衛生を含む労働環境やその管理状況など、食の安全を実現するために取り組んでいる。

(その他のCSR活動)

○社会貢献その他のCSRへの取組

・2020年に、地域貢献と未来を担う子どもたちの教育の一助として、高校生フィールドスタディの受入れ企業に登録し、毎年2~3回の受入れを実施。高校生は事前学習で自身のキャリア形成について考え、地元企業や産業について学ぶ機会を得るとともに、若者の地元からの流出防止の一助になる事業である。

・意欲的な若者の育成、我が国の産業競争力強化、地元の活性化などに貢献したいとの思いから、次代を担う起業家や起業家精神を持った人材を発掘し、イノベーション機運を高めるプロジェクト「群馬イノベーションアワード」に継続的に協賛している。

・従業員の健康増進のため、社内に運動バイクや血圧計、体重計等を設置している。また、従業員が出社時に事務所へ立ち寄ることを推進している。顔色の具合や様子を総務で観察し、様子が異なる従業員には即時面談に努めている。工場従業員は身体的負担が多くなることも想定されるため、一日あたり休憩時間を90分とし、また、夏期に定時時間が短縮される変形労働制を採用している。従業員が妊娠した際には、転倒リスク軽減のために従業員駐車場の一番近い部分を提供するなどしている。

・顧客への健康対応については、健康被害防止のため、製造ラインは金属検出器とX線検査機での二度の検査体制としている。また、商品の品質保持期限を長く維持するため、添加物使用ではなく、加熱殺菌する製造方式を採用し、加熱温度のモニタリングと品質担当者による再確認を行っている。一部商品では、使用する原料を一旦湯でこぼしてから使用することで、カロリー低減を図る商品開発にも取り組んでいる。