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受賞者一覧

令和5年度/第45回受賞者

食品産業部門[農商工連携タイプ](2023)
農林水産省大臣官房長賞

オシキリ食品株式会社

代表取締役社長:押切 拓郎
所在地:北海道江別市
業種:豆腐・納豆等食料品製造業
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【功績申請の概要】

  • 北海道産大豆にこだわり、納豆は大豆使用量の4割超を北海道産が占める。基本的に十勝産の大豆を使用しているが、北海道内の各地の大豆を調査する中で、「ご当地納豆」を商品化した。北海道産の原材料を積極的に活用することで、北海道農業の発展や農業者の経営安定、地域活性化に寄与している。
  • 江別(えべつ)の農業者と協働してこんにゃく芋栽培に取り組み、「江別産生芋こんにゃく」などを商品化したことは、農業者への支援につながるとともに、製品のブランド化が期待できるものである。
  • 平成26年の新工場建設に当たり、33名の雇用増となったことなどが地域貢献と評価され、令和元年10月に「ふるさと企業大賞(総務大臣表彰)」を受賞した。

●功績申請の具体的内容

(農商工連携の推進)

○国産農林水産物の利用や契約栽培の推進

・主力商品の納豆、豆腐の原材料である大豆に徹底してこだわり、基本的に十勝産を指定している。納豆の原材料の北海道産大豆は、ゆきほまれ(340トン)、ゆきしずか(230トン)をメインに、その他黒豆、ゆきぴりか、すずまる等を30トン程度使用している。「十勝納豆(中粒以上)」は十勝産ゆきほまれ大豆を100%使用しており、大豆のしっかりとした食感と豊かな風味を最大限に活かした納豆となっている。「十勝納豆(小粒)」は十勝産ゆきしずか大豆を100%使用しており、程よい風味と上質な甘みのある納豆に仕上げている。

・北海道全域に足を運び、各地域の大豆を調査する中で、北見のゆきぴりかや祝黒大豆などを指定原料として北見納豆を製造しているほか、ここ数年、江別、北竜、富良野、中札内、中標津など、産地を絞り込んだご当地納豆が少しずつではあるが販売量が増加している状況にある。

・全国納豆協同組合連合会が主催する全国納豆鑑評会に毎年出品し、直近5回のうち3回で受賞するなど、製品づくりは高く評価されている。

・豆腐の原材料の北海道産大豆は、とよはるか、とよまどか、とよみずき、ゆきほまれがメインとなっている。豆腐に適した大豆の品種に関する研究が進められており、地方独立行政法人北海道立総合研究機構の農業試験場などから、試験製造の依頼を受けることがある。

○生産者ヘの技術指導等、農林水産業への支援

・こんにゃく芋は寒冷地の北海道での栽培は難しいと言われていたが、近年の気候の変化等を受け、平成27年頃から独自に栽培を始め、その後、江別の農業者と当社が協働し、当社が群馬県の産地に出向き、種芋の植え付けや栽培中の管理、収穫の方法等を学び、それを農業者に伝えながら両者で栽培をスタートさせた。年々収量も増加し、昨年は6トン収穫があった。全量を当社が購入して「江別産生芋」のこんにゃく、しらたきの原材料として活用している。今後は、パートナーとなる農業者を増やすとともに、年間10~20トンに生産を拡大していきたいと考えている。

○国産農林水産物を利用した新商品開発

・こんにゃく製品の付加価値を高めたいとの思いから、従来製品の一部を「江別産生芋」のこんにゃく製品へとリニューアルし、令和2年から製造を開始した。現在は、「江別産生芋こんにゃく」、「江別産生芋つきこんにゃく」、「江別産生芋しらたき」の3種類を製造している。

・生のこんにゃく芋からこんにゃくを製品化できるのは北海道内では当社のみであり、こうしたノウハウを活かし、今後、江別産のこんにゃく芋を原材料とするこんにゃく製品のブランド化を図っていきたい。

○販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進

・近年まで販売先はほぼ全て北海道内で、スーパー等の小売店、コンビニエンスストアが85%程度を占めていたが、学校給食や病院食への食材提供など、販売チャネルの多角化に取り組んでいる。また、本州での商談機会を得るために展示商談会に出展するなどにより首都圏も販売エリアとなった。今後は、輸出にも積極的に取り組んでいきたい。

(地域農林水産業との連携、地域活動等)

○地域農業、地域関連業界等、地域社会との連携状況

 <農林水産省の麦・大豆保管施設整備事業に係る取組>

・農林水産省が国産麦・大豆の安定供給体制の構築に向け、新たに麦・大豆を保管するための施設整備を支援する「令和2年度麦・大豆保管施設整備事業(補正予算繰越し分)」の第3次公募に、帯広市の㈱萩原敬造商店などとともに「北海道産大豆安定供給コンソーシアム」を組成し、低温倉庫の建設を提案して採択されたことから、この倉庫を積極的に活用しながら、北海道産大豆の需要の拡大と安定供給に向けて取り組んでいる。

 <道産食品独自認証制度(きらりっぷ)による認証の取得>

・北海道庁は、豊かな自然環境や高い技術を生かして生産される安全で優れた道産食品について、消費者の信頼確保と北海道ブランドの向上を目的に、道産食品独自認証制度(通称:きらりっぷ)の普及に取り組んでいる。原材料や生産工程、衛生管理、個性など、独自に設定した基準をクリアしたものだけを認証するもので、当社は5商品でこの認証を取得している。

 <北海道HACCPHACCP自主衛生管理認証制度による認証の取得>

・北海道庁が平成19年に創設した独自の自主衛生管理制度である「北海道HACCP自主衛生管理認証制度」による認証を4施設で取得している。

 <自社独自のHACCP研修会の開催>

・当社では、外部講師を招いて年間10回程度、独自にHACCP研修会を開催している。

<温室効果ガス削減に向けた取組>

・国立公園・世界自然遺産カーボン・オフセットキャンペーン実行委員会(事務局:公益財団法人北海道環境財団)の活動に賛同し、特別協賛事業者となっており、当社が温室効果ガス削

減により創出したJ-クレジットを実行委員会に寄付している。

○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況

・こんにゃく芋は寒冷地の北海道での栽培は難しいと言われていたが、近年の気候の変化等を受け、平成27年頃から独自に栽培を始め、その後、江別の農業者と当社が協働し、当社が群馬県の産地に出向き、種芋の植え付けや栽培中の管理、収穫の方法等を学び、それを農業者に伝えながら両者で栽培をスタートさせた。年々収量も増加し、昨年は6トン収穫があった。全量を当社が購入して「江別産生芋」のこんにゃく、しらたきの原材料として活用している。今後は、パートナーとなる農業者を増やすとともに、年間10~20トンに生産を拡大していきたいと考えている。(再掲)

○地域の雇用先としての貢献

・従業員を採用する際には、地元からの採用を基本としている。

・平成26年に豆腐や油揚げを製造する工場を新たに建設するに当たり、従業員の雇用増につながったことから、江別市の地域総合整備資金貸付(ふるさと融資)を活用することができ、

最終的には33名の雇用増となった。

・こうした取組が地域貢献と認められ、一般財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団)の「令和元年度ふるさと企業大賞(総務大臣賞)」を受賞した。