受賞者一覧
令和2年度/第42回受賞者
【功績申請の概要】
- 外国人技能実習生制度(当時研修生制度)の活動を2005年より開始し、2020年10月現在在留実習生約1000人を各パン製造企業に派遣している。
- 2008年に技能実習期間を1年から3年に移行した際、厚労省技能実習部門をはじめ関係団体との交渉を当組合が担い、1年をかけ実現し、パン製造業界全体に貢献している。
- 全日本パン協同組合連合会に実習生事業協力金として、過去6年間で4千万円以上の寄付を行い、パン業界の食品の安全・品質向上や業界全体の社会的な課題解決に向けた取組に貢献している
(団体規模) ○設立後年数 ・30年以上 ○組織率 ・90%以上 ○他の受賞実績 ・特になし
(組織の強化、資質の向上への寄与) ○毎月組合ニュース(労務管理情報)を会員に発行し、行政のさまざまな情報を届けており、その内容は技能実習情報だけでなく企業従業員の労務関係情報を含んでいる。 ○東京都パン商工組合連合会、東京都学校給食パン協同組合、東京青雲会、リテイルベーカリー協同組合と当組合が共催して、パン製造の技術、消費者の求めるニーズをいかに商品化できるかを競う「パングランプリ東京」を毎年開催しており、会員にパングランプリ東京への参加をよびかけ、出展の際は協力金をわたしている。 ○月に一度の理事会を開催し業界情報を伝えるとともに、一般社団法人日本パン技術研究所より講師を招き、新作パンの講習会を開催している。
(経営安定への寄与) ○当組合は、外国人技能実習生を2020年10月で約1,000人、監理団体としてパン製造企業に派遣をしている。また、優良な監理団体が対象となる一般監理業務を行う団体として、許可を受けて活動しており、受入れ人数の上限の拡充などの扱いが認められており、派遣先の企業については、大手企業から中小企業まで多くの企業を対象にしており、パン業界全体に貢献している。当組合はパン業界に貢献するためにパン単一の団体として技能実習生事業に取り組んでおり、技能実習生を受け入れる企業にとっての経済的な負担を軽減している。 また、フィリピンにある送り出し機関と協定を締結して、当該送り出し機関と現地のパン製造大手が提携して、将来帰国後の企業の幹部候補生となる者で、現地研修も日本語学校で合宿した者を受け入れている。 当組合は、受け入れ後も実習先の企業をこまめに巡回するなど研修実施状況をこまめにフォローしており、多数の技能実習生を受け入れている中で、技能実習生の失踪等の問題を一切、発生させていない。このように、当組合の活動により、パン業界において、技能実習制度が本来の制度目的に沿って行われるとともに、技能実習生を受け入れた企業の経営安定にも貢献している。
○特に労働力不足が深刻な分野を指定して、一定の技能を有する外国人材を受け入れる「特定技能制度」が2018年10月に出入国管理及び難民認定法が改正されて設けられた。この制度において、「飲食料品製造業」が対象業種として指定され、外国人労働者の受け入れが可能となった。 企業が、特定技能制度により外国人労働者を受け入れる場合には、外国人労働者に対する職業・社会・生活面での支援をすることが求められており、中小企業にとっては出入国管理庁に登録した登録支援機関と契約して、外国人労働者に対する支援業務を委託することが事実上必要になる。 パン製造業は深夜・早朝の労働を余儀なくされることなどから、労働力不足が特に深刻であり、外国人労働力への期待も高いことから、当組合は特定技能制度の登録支援機関になり、2020年度から当組合からの特定技能による外国人労働者の派遣が始まっている。
(技術向上への寄与) ○当組合には、厚生労働省が認定する国家資格であり、都道府県職業能力開発協会の試験に合格したパン製造技能士1級取得者が2名おり、外国人技能実習生の検定の折に、技能の指導を企業に出向いて実施しているほか、新製品の開発などの相談にも積極的に応じている。
○「パングランプリ東京」(前述)を毎年開催し、パンの製造技術、消費者ニーズに応えた商品の開発力の向上に努めている。
(外部との連携) ○パン製造については、技能実習制度が始まった当初は1年間の研修制度としてスタートしており、技術移転が難しく、この制度が活用されにくい状況があった。このため、パン製造についての技能実習の実習期間を通算3年とする移行職種(技能実習2号)になるため、当組合が中心になって、全日本パン協同組合連合会、日本製粉協会、日本製パン機械工業会、日本パン工業会、日本パン粉協同組合及び日本パン技術研究所を取りまとめて、厚生労働省及び中央能力開発機構に働きかけ、2008年4月から、当組合が検定試験を実施して、合格後2年間、通算で3年間の技能実習ができる制度に移行した。 また、実習期間3年の職種に移行した後には、1年間の研修の終了後に2年間の実習に移行する際の検定試験について、当組合が中央職業能力協会とともに試験問題の作成及び試験を実施し、パン業界において技能実習2号による技能実習制度を利用することが可能になっている。
○「パングランプリ東京」において、国産小麦の使用拡大を通じた農業振興、食料自給率の向上に資する観点から、国産小麦を使用したパンを表彰する部門を設けている。
○パン業界の団体としては、中小企業等協同組合法に基づく都道府県のパン組合の全国組織として「全日本パン協同組合連合会」が組織されている。全日本パン協同組合連合会は、パン業界全体でパンの安全性や品質を確保し、消費者からの信頼の向上のため表示の適正化、国産小麦の使用拡大等について、会員への働きかけや行政との連携に取り組んでいるが、当組合は全日本パン協同組合連合会の活動を支えるため、過去6年間で4,000万円以上の寄付を行い、業界全体の社会的な課題解決に向けた取り組みに貢献している。
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