受賞者一覧
令和2年度/第42回受賞者
【功績申請の概要】
- 明治4年創業以来、製法・手法においては一子相伝の技術を用い、味付けに使う調味料は合成保存料や添加物に頼ることなく、他に類をみない家伝の味に仕上げている。
- 高知県室戸市「海洋深層水」を使用し、高知県産生姜を使って「しょうが大和煮」の試験研究及び商品開発、地域食品振興事業に取り組んだ。
- 大和煮の種類は20品目に及び、原材料産地を国内産に厳選し、代表商品「あさり大和煮」に関しても、愛知県・熊本県など原料素材を限定、オーダーメイド的に特化して希少価値を守るとともに、全ての工程に於いて火力強弱・水分量・素材などを五感で見極めながら仕上がりまで妥協を許さない手法を用いている。また、大阪府が認証する「大阪産(もん)名品」に、平成31年1月16日「あさり大和煮」が選定された。
・功績申請の具体的内容
(経歴、人格、識見)
江戸三・大和屋四代目の責務として、市井の人々から評価される商品づくりを心がけている。
(業界における指導力、人望)
初心を忘れず勤勉に研究に励むとともに店の歴史、作り手の信念、資質の継続などが一体となって後々の信用が得られる。ものづくりから培われた基礎が大きな財産となり、体験・経験を社員教育に生かすとともに、地域の発展、業界の発展につなげている。
(専門性)
伝統性…大和煮とは(醤油・砂糖・生姜など)を用いたつくだにの別称として呼称され、保存食としてではなく、かつ大量生産ではない家庭の味として親しまれている。
特殊性…大和煮の製法は、代々一子相伝の手法を用い、手間・ひまを惜しまず、他の多くの加工業者の中にあって類似する製法ではなく、五味調和のとれた当店独自の特殊性を有している。
(技術・技能の評価)
〇高知県室戸市「海洋深層水」を使用し、高知県産生姜を使って「しょうが大和煮」の試験研究及び商品開発、地域食品振興事業に取り組んだ。平成3年6月より全国の消費者を対象に、生姜に 関しての活用法・成分・調理方法などの市場調査を行い、その結果を高知県海洋局に提出。当時話題となっていた室戸海洋深層水を用いて同局と共同試験・共同開発を実施し、平成12年3月県外初の海洋深層水の分水許可を受け、しょうが大和煮の商品開発を行った。
〇本社の大和煮の種類は20品目に及び、原材料産地を国内産に厳選し、代表商品「あさり大和煮」に関しても、愛知県・熊本県など原料素材を限定、オーダーメイド的に特化して希少価値を守るとともに、全ての工程に於いて火力強弱・水分量・素材などを五感で見極めながら仕上がりまで妥協を許さない手法を用いている。また、大阪府が認証する「大阪産(もん)名品」に、平成31年1月16日「あさり大和煮」が選定された。
(公開・普及状況)
学校教育、食育授業の取組みとして、大阪市内の小・中・高等学校の要請を受け、食材を提供して、多くの生徒に作り方の食育指導を行っている。また、熊本県・兵庫県などでの地元食材を用いた商品開発及び講演活動を通し、伝統的な技術を伝え、地域社会に寄与する取組みも実施した。
(し界の発展への寄与)
〇し界等への貢献
【兵庫県多可郡】
兵庫県多可郡で飼育される「播州百日鶏」使用の商品を開発した。
【熊本県】
・平成14年4月 熊本県葦北郡津奈木町より農林水産業所得向上の方策事業に係る指導要請を受け、現地に赴き、農協・漁協・田畑・選果場・直売所・温泉施設などの視察を行う。また、同町役場において、農協・漁協・商工会・議会・役場を対象に「特産品による地域活性化講演会」を行った。
・平成16年8月 熊本県葦北郡に自生する「つわぶき」を使用し、地元産品として商品を開発した。
【兵庫県明石市】
・平成24年10月 兵庫県明石市からの要請により「明石特産品フェアー」のプロデュース・コーディネートを実施した。
・明石市産業振興課の事業として明石市の特産品を広くPRするもので、大手百貨店を会場に単一都市として前例のない物産市を開催し多大な成果を得るとともに、市政に貢献した。
〇業界や地域との情報交流
KBS京都主催の「秋の収穫祭」パネルディスカッション「食の安全から見えてくるエコロジー」に出演した。安全・安心なくらしの重要な基礎である「食」と「農」をテーマにほんまもんのおいしさの味わい、有機野菜と無添加食品をつくる人たち、オーガニックレストラン、自然食品店を経営する人たちについて、パネルディスカッションを実施した。(平成20年11月24日 KBSホール)また、日本農業新聞「羅針盤」にて執筆を行った。(平成11年から14年まで)
(技術・技能の社会への寄与)
各組織活動を通して、食の歴史、食品の安全・安心について広く啓蒙している。
・なにわ商人“味と技”会 代表理事
・近畿ふるさと創生会 代表
・NPO法人「皆と取り組む食品の安全と品質を考える会」理事長
・日本消費者連盟「食の安全監視市民委員会」常任委員