受賞者一覧
令和元年度/第41回受賞者
【功績申請の概要】
- 茨城県内にFSSC22000 認証を取得した3つの工場を持ち、それぞれの工場でもやしと野菜炒め、生食用カット野菜、大根のツマを製造している。大根のツマの生産量は国内トップを誇り、また、生食用カット野菜の工場(本社工場)は、単体のカット野菜工場としては製造量、売上高が国内トップとなっている。
- 直近の年間原料野菜使用量は38,000 トンを超えており、年々増加している。カット野菜製造における原料はほぼ100%が国産野菜となっている。このうち約95%を契約栽培により調達している。
- 契約栽培に占める茨城県内産野菜は約4割である。
- 特に使用量が増加している野菜は小ネギであり、2018 年の使用量は475 トンにまで達した。
- 野菜生産者への支援としては、収穫・納品時の負担を減らせるように、鉄製の大きなコンテナを提供することで、段ボールを利用する場合の比較して、梱包にかかる手間やコストを大幅に削減している。
- 新卒採用を長年続けており、ここ数年は毎年10 名以上の新卒新入社員が入っているため正社員の平均年齢は約35 歳となっている。また、パート社員は10 代から70 代まで幅広く在籍し、60 歳以上のパート社員は全体の2割以上を占め、高齢者の雇用に貢献している。
- 東日本大震災以降、従業員を約350 名増やし、地域の雇用に貢献している。
●功績申請の具体的内容
(農商工連携の推進)
〇FSSC22000 認証を取得した工場でカット野菜の製造を行っており、原料となる野菜はほぼ100%が国産野菜である(トレビス等国内での生産が少ない野菜は輸入している)。直近年度では年間の原料野菜使用量は38,000 トンを超え、1日当たり100 トン以上の野菜を使用している。仕入についても95%以上を契約栽培によって購入しており、市場からの仕入れは一部となっている。産地は北海道から九州・沖縄まで全国的に契約を行っており、国内生産者の農業経営に資する事業をしている。
なお、過去3年の原料野菜使用料は約33,000 トン(2016)→約37,000 トン(2017)→約38,500 トン(2018)と推移しているが、直近の2018 年度だけは国内の野菜が極端に不足したことを受け、国産野菜の使用量が83%程度の約32,000 トンに留まっている。
特に使用量が増加している野菜としては小葱が挙げられます。年間使用量は351 トン(2016)→409 トン(2017)→475 トン(2018)と年々増加している。
○生産者ヘの技術指導等、農業への支援
生産者の収穫・納品時の負担を減らせるように、生産者に対し鉄製の大きなコンテナを貸与し、そちらに野菜を入れて納品するようにしてもらっている。段ボールを利用する場合と比較し、梱包にかかる手間やコストが大幅に削減されている。
また、2年に1回程度生産者を集めての勉強会を開催し、茨城大学農学部の教授に講師を依頼し土中の微生物の働きについて講演を行っている。勉強会の後は懇親会の中で、生産者と講師および当社社員とで農業についてお話しする貴重な時間設け、生産者からは大変好評な企画となっている。
○国産農産物を利用した新商品開発ほぼ全ての原料野菜は国産のものを利用している。例えば12 品目のシャキシャキサラダは、大根、レタス、玉ねぎなどを始めとして全部で12 種類の野菜が入ったサラダであるが、簡単に多くの種類の野菜を摂取できるということで、大変な人気を誇る商品になっている。
○販売促進
取引先は東京近郊を中心とした、関東甲信越地方(東北、中部の一部も含む)の量販店がメインとなっている。スーパーマーケットやコンビニエンスストアでの売り上げが全体の8割以上を占めているので、
主にそういった店舗向けの商品を製造している。納品は再利用できるコンテナを主に使用しているため、納品コストを抑えることができ、また段ボールや発泡スチロールといった使い捨ての容器の使用を最小限に抑えることで、環境にも配慮している。
(地域農業との連携、地域活動等)
○地域社会との連携
茨城県は農業生産物の売上高が北海道に次いで全国2位の都道府県であり、地元の野菜を使用する割合が最も多く、全体の使用量の4割近い数字になっている。特に大根は最も多く使用する原料であるが、生産地である鉾田市に工場を建設し、地域の生産者から多く仕入れることで物流コストを抑える工夫をしている。大根の県産使用量は47%と大変高い数字になっている(数字はいずれも直近事業年度である2018 年度)。
地域社会との関わりとしては、茨城ロボッツや水戸ホーリーホックなど地元のスポーツチームのスポンサーとなり、地域を元気にする活動に協力しているほか、地域の清掃活動、地元の方々を招いての納涼祭の開催など、積極的に地域の方々と交流している。
また地域を代表する大学である茨城大学の農学部からは、現在もやしに関する共同研究の申し出があり、社内でも対応を前向きに検討している。
○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況貢献
一部の各地域農協とは原料野菜仕入れの契約を結んでいる。生産者と直接契約のほか、問屋や農協との契約も毎年行っている。
○地域の雇用先としての貢献
茨城県内に3つの工場を保有し、2011 年の東日本大震災当時、3工場合わせて450 名程度だった従業員は、2019 年現在で800 名を超える人数になっており(正社員の他パート社員、派遣社員等を含む)、地域の雇用に貢献できている。
(食品表示法への対応)
法令の変更に対しては、当社の商品開発課のメンバーが常に内容を確認し、法令に即した適切な表示を行っている。社内での周知は、紙ベースの業務連絡のほか、社内ネットワークシステムも活用し、しっかりと周知している。