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受賞者一覧

平成30年度/第40回受賞者

マイスター部門(2018)
農林水産大臣賞

小林 和人

所属:株式会社大多摩ハム(代表取締役社長)
所在地:東京都 国分寺市
業種:食肉製品製造
> 公式ホームページ

【功績申請の概要】

  • 昭和58年にドイツ式ハム・ソーセージ製造技術を習得するため、ドイツ・ケンルン市食肉組合長フロイツハイム氏の元に留学し研鑽を積んだ。以来30年以上食肉加工業に携わり、創意工夫と旺盛な研究心から革新的な商品開発に注力している。
  • 平成28年に金型とシリコンの二重構造の型によって立体的なソーセージの製造に成功、3D 技術を用いることで、これまで困難とされていた食肉の造形食品3Dソーセージ「ローズパステート」の商品化を実現し特許を取得するなど、社長就任以来、食肉加工技術者として、製造技術の研鑽に努めている。
  • 平成16年度には日本ハム・ソーセージ工業協同組合の理事に就任し、特に平成28年度からは資金管理委員会委員として先頭を切って資金管理の健全化に努め、平成30年には常務理事に就任した。

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(経歴、人格、識見)

〇性格円満にして温厚篤実、責任感強く、30年以上食肉加工業に携わり、創意工夫と旺盛な研究心から革新的な商品開発に注力するとともに、その高潔な人格と豊富な経験を活かして食肉加工業界の健全な発展に尽力し、業界からの信望は極めて厚い。

 

(専門性)

〇慶応義塾大学卒業後、株式会社大多摩ハム小林商会に入社し、昭和58年にドイツ式ハム・ソーセージ製造技術を習得するため、ドイツ・ケンルン市食肉組合長フロイツハイム氏の元に留学し研鑽を積んだ。

・平成10年に東京都の銘柄豚「TOKYO-X」を原料に使用したドイツ伝統製法によるハムを開発し、平成15年に東京都地域特産品のハムとして唯一認証を受けた。

・平成28年に金型とシリコンの二重構造の型によって立体的なソーセージの製造に成功、3D 技術を用いることで、これまで困難とされていた食肉の造形食品3Dソーセージ「ローズパステート」の商品化を実現し特許を取得するなど、氏は、社長就任以来、食肉加工技術者として、製造技術の研鑽に努めるとともに、革新的な商品開発に取組んでいる。

 

(技術・技能の評価)

〇技術・技能の客観的な評価

・平成15年に「TOKYO-Xロースハム」が東京都知事より東京都地域特産品の認証を受けた。

・平成19年に「TOKYO-Xロースハム」が特許庁より登録商標の認定を受けた。

・平成23年に「東京うこっけいハム」が東京都知事より東京都地域特産品認証を受け、特許庁より登録商標の認定を受けた。

・平成26年に「3Dソーセージ」が東京都知事より東京都地域特産品認証を受け商標登録した。

・平成28年に「 TOKYO-Xロースハム」が国土交通省より観光振興推奨賞の認定を受けた。

 

(特許・資格等の取得状況)

〇3D造形食品製造法(平成28年8月19日特許取得)

菓子業界では「人形焼き」や「鯛焼き」など様々な造形食品があるが、食肉関係では、たんぱく質が金型にくっつきやすく、剥離性が悪いため殆ど存在していなかった。氏は、金型とシリコンの二重構造の型によって立体的なソーセージの製造に成功し、これに3D 技術を用いることで、これまで困難とされていた食肉加工品の造形食品であるTOKYO-X 3Dソーセージ「ローズパステート」の商品化を実現し、特許を取得した。

 

(公開・普及状況)

テレビ・雑誌・新聞等のマスコミ取材に積極的に対応するとともに、自社のホームページ等においても幅広く情報公開している。

 

(し界の発展への寄与)

〇食肉加工品消費宣伝事業への貢献

平成16年5月に日本ハム・ソーセージ工業協同組合(以下、「ハム組合」という。)の理事に就任し、平成18年度より消費宣伝事業検討委員会の委員に就任した。ハム組合は、かねてよりテレビや雑誌媒体を中心とした消費宣伝事業を行っていたが、氏は、委員として、ハム・ソーセージといった言葉を使った歌によるPRを提言し、平成19年度事業において、ハム組合では初めて「ハム・ソーセージの歌・小島あやめ」を制作することとなった。この歌は、3ヵ月間音楽配信ダウンロードサイト「MUSICO」にて無料配信され、CDが全組合員に配布された。

〇資金管理の健全化への取組み

平成28年度よりハム組合の資金管理委員会委員に就任し、バブル経済の崩壊以降、金利水準が大きく低下する中、組合活動の資源としての収益確保のため、預入期間が長い資金や組合に解約権のない定期預金を所有しているハム組合の資金管理健全化に着手した。リスク管理の重要性を強く訴え、幅広い観点で資金管理の適否を検討・協議するなど、ハム組合の事業活動の礎となる資金管理の健全化に尽力している。

更に、自身の会社経営の知識と経験を活かし、ハム組合の財務の健全化に積極的に取り組み、財政基盤の安定化に大きく貢献したことや、それまでの実績、見識並びに指導力が高く評価され、平成30年5月よりハム組合の常務理事に就任している。

 

(業界や地域との情報交流等広域的な活動)

〇関東支部長としての功績

それまでの社業の発展と地域社会への貢献が評価され、関東地域の支部組合員からの要請を受けて、平成28年6月にハム組合の関東支部長に就任した。氏は、関東支部長就任後、即座に持ち前の実行力を発揮し、支部組合員の連携と親睦を深めるため、行政から講師を招へいし、安全対策講習会等を開催するなど、食の安全・安心と消費者の信頼確保への取組みに尽力している。

また、関東支部長として、定期的に開催されているハム組合の本部役員会の報告事項や決議事項等を速やかに支部組合員に伝えるとともに、販売促進部会等を開催し、支部組合員各社の販売状況等について分析・情報交換を行うなど、公平・公正な支部運営に努めてきている。

 

(技術・技能の社会への寄与)

消費者を対象とした工場見学と「美味しいハム等ができるまで」勉強会( 月、水、木、金の10:00から1日1回、40名様まで・予約制)を定期的に開催し、稼働中の工場が見学できるとともに、隣接する自社レストランでハム・ソーセージの試食提供やハム・ソーセージ等を使ったランチ(有料)の提供を行っている。