受賞者一覧
平成30年度/第40回受賞者
【功績申請の概要】
- 大学で乳用牛を食肉として供給するための研究を行ってもらい、そこでえられた知見を酪農家にフィードバックするなどにより、乳用牛肉の肉質向上に取り組んでいる。
- 全道から食肉として供給される乳用牛の約35%を十勝工場・名寄工場で扱っており、屠畜・解体から加工、その後の加工食品までを自社で一貫生産できる強みがある。近年では、これらの強みを生かし、食肉としての供給以外に、冷凍食品等の加工食品の商品開発にも力を入れている。その結果、豚では5年前の2.4倍以上、牛では同様に108%の使用量の増加を達成することができた。
- 食肉部門の主力工場である名寄工場が、名寄市の食品製造業の中心的拠点となっているほか、道北、オホーツク地区唯一の牛生体の屠畜、解体施設である「名寄市営と畜場(名寄市食肉センター)」の運営を名寄市から委託されている。そこで名寄市の振興を目的として、乳用牛の再飼育による肉質向上をはかり、新しい地域ブランドとして「名寄天牛(なよろあまうし)」ブランドを立ち上げ、食肉としての販売を開始した。又、冷凍食品等の加工食品としての商品開発も行い、ブランドの普及を行っている。
(農商工連携の推進) ○国産農産物の利用、契約栽培の状況 ・北海道内産原料を使った商品の開発を積極的に行い、道内産豚肉では、平成28年度下期に冷凍食品の「北海道産ソースとんかつ」を開発して5年前に比べて、2.4倍以上の増加している。道内産牛肉では、平成29年度は道内産牛肉100%使用の冷凍食品「国産ビーフソースかつ」を開発して、2年前より約1.5倍の増加となっている(5年前に比べ108%の増加)。主原料に占める道産品率は、5年前に比べ、2倍以上に増加している。本年度は新たに北海道産の原料を使用した商品を開発しており、さらなる増加を見込んでいる。 ・道内産牛肉は原則、自社工場の「名寄工場」「十勝工場」の原料を使い、安定した原料の確保及び安全性の管理に努めている(名寄工場の原料については、生体の屠畜から製品までの一括管理を行い、より安全体制の構築に努めている)。 ○生産者ヘの技術指導等、農業への支援 ・道北地区唯一の牛の生体を屠畜・解体する「名寄市営と畜場(名寄市食肉センター)」の運営を委託され、名寄市及び道北地区の畜産業に貢献している。(「名寄市営と畜場(名寄市食肉センター)」は道北地区及びオホーツク地区唯一の「と畜場」となっており、全道の食肉となる乳用牛の約2割程度の屠畜・解体を行っている)。 ・乳用牛の予防接種の過程で、注射針が折れて牛の体内に残存する可能性、小石等の硬質異物を摂取する可能性もあるが、このような硬質異物は、屠畜・解体・加工の過程で工場内で除去している。もし、硬質異物が発見された場合についても、直ちに、牛飼育農家にフィードバックし、注意喚起を行っている。 ・旭川以北唯一の公立大学である名寄市立大学及び北海道大学で、乳用牛の再飼育を研究材料として取り上げてもらい、飼育方法、栄養成分等の共同研究を行い乳用牛の再飼育方法の確立に努めている。こうして得られた技術を酪農家にフィードバックすることで、再飼育牛の肉質の向上に結びつけている。 ○国産農産物を利用した新商品開発 北海道産原料を主原料とした商品を多数開発・販売している。
○販売促進 食肉加工品 : 北海道産の牛肉等を直販ルート及び食肉卸を通して販売 畜肉製品・味つけ製品: 北海道内の量販店及びユーザーに直販ルート及び食品卸を通して販売 調理品 : 親会社のマルハニチロ(株)のOEM製品が多い為に、マルハニチロ(株)への販売が中心となっているが、一部、全国のユーザーに販売している
(地域農林水産業との連携、地域活動等) 〇名寄市の振興には積極的に関与し、地域ブランドの「名寄天牛」ブランドの確立を図る為に、積極的に商品化を進めると同時に、名寄市立大学と栄養成分等の共同研究を行っている。「名寄天牛」ブランドの牛は、再飼育による肉質の向上以外にも、離農した酪農家の雇用にも貢献している。 また、その他の名寄市の特産品である生産量日本一の「もち米」を使った製品の開発研究を進めている他、名寄市のご当地グルメとなっている「名寄煮込みジンギスカン」の普及を進めるために、商品化を行い、ご当地グルメ大会の「B-1グランプリ大会」にもボランティアとして参加している。 このほか、工場所在地の町内会、自治体主催のイベントに積極的に参加している(発寒琴似川一斉清掃ボランティア、地域ゴミ拾いのスポGOMI大会、西町町内会行事、コンサタウンふれあいフェスタ、名寄イチオシ祭り、小樽潮祭り、北海道ジンギスカンフェスティバル、札幌オータムフェスタ等)。 ○北海道食品産業協議会の副会長企業として、北海道食品産業協議会の運営に関与しているほか、一般社団法人北海道冷凍食品協会の会員として各種活動を行っている。 名寄工場は牛生体の屠畜・解体を行う「名寄市営と畜場(名寄市立食肉センター)」の指定管理者を受けて運営している。日本最北の「と畜場」であり、近隣の酪農家、畜産農家から出荷される牛を農協等を通じて受入れ、屠畜、解体、加工をしている。 ○従業員約560名については、親会社のマルハニチロ(株)からの出向者(約10名)及び海外からの研修生(約30名)を除き、創業以来100%地元北海道からの採用となっている。 又、障害者についても、積極的に取り組んでいる(全社で約20名強、3.62%)。 名寄工場のある名寄市は、過疎地域自立促進特別措置法による過疎地域に指定されているが、名寄工場は地域の雇用に貢献している。
(原料原産地表示の取組等) 原料原産地表示については、従来より自主的に道内産主原料を使った商品にはパッケージに表示を行っている。。
|