受賞者一覧
平成28年度/第38回受賞者
食品流通部門(2106)
農林水産大臣賞
小池 保之
所属:小池鮮魚店(店主)
所在地:静岡県 静岡市
業種:水産物小売
【功績申請の概要】
- 生鮮魚介類は品質劣化が激しく、一部には寄生虫が存在し、食中毒などの事故が発生しやすいため、組合員に対し、不慮の事故により食中毒等が発生した場合の自衛策として、消費者の食中毒等被害の救済や水産物小売業者の経営安定を図るため、本連合会が行っている賠償責任保険への加入促進を指導し、水産物小売業者の社会的信用の確保に貢献。平成21年から毎月10日を「魚(とと)の日」として、魚の日統一ポスター等により魚食の普及啓発に尽力。また、「天然刺身まぐろマグロキャンペーン事業」((一社)責任あるまぐろ漁業推進機構と共同実施)において、会員が店頭でチラシ等を配布し、適切な資源管理に基づき天然マグロが安定的に供給・消費されるよう、普及啓発活動を展開。東日本大震災(平成23年)や熊本地震(平成28年)などの災害時には、全国の会員とともに義援金などの支援に積極的に取り組み、本連合会及び会員の社会的評価の向上に寄与。
- 静岡県内の12組合(会員数641名)を水産物小売商団体として取りまとめながら、水産物の消費動向等についての情報の組合間での交流・共有と組合員への周知を図り、また、消費者と身近に接する「まちの魚屋」の立場を活かして、日々の食生活に欠かせない水産物を安定供給すること等により、各組合の振興・発展と組合員の社会的地位の向上に尽力。このことは、水産王国と称される静岡県の漁業振興や水産物の消費拡大にも貢献。 偽装表示等の問題が発生する中、水産物の販売にあっては、計量の正確さが販売店の信用に直結するとの信念から、水産物の全流通過程(水揚げ~卸売市場~小売店)を通じて、正しく計量・取引されるよう、静岡県内の各卸売市場に提唱。その取組は、行政による指導にまで発展し、改善が進められるなど、正確な計量と公正な取引の確立に大きく貢献。 食料品流通を担う者として、衛生管理と情報開示の重要性を強く認識し、常に安全・安心な水産物の提供と食品衛生の確保について尽力。例えば、O-157やサルモネラ菌食中毒事故の発生時には、組合員と消費者に対する情報の周知徹底等を図り、正確な情報の提供により消費者の不安解消に尽力するとともに、衛生管理の徹底と再発防止に尽力。 また、食品衛生に関する研修会を開催し、衛生知識の普及・啓発を図るとともに、ショーケースや冷蔵冷凍施設の整備を指導する等、水産物販売業者の経営の近代化と衛生水準の向上に大きく貢献。全国水産物商業組合連合会の会員の相互理解と組織強化を図る全国大会について、その指導力と統率力をもって静岡県と関東ブロックの関係者の意思統一を図り、静岡大会(平成28年11月)を開催。同大会の開催を通じ、郷土の食文化の発信と組織強化に尽力。
- 卸売業者、仲卸業者及び売買参加者(組合員)との売買代金の精算を行う「組合代払い」に替えて、売買参加者の取引分について本組合が精算業務を行う売買代金精算システムを平成18年度から開始し、同時に、取引銀行の集約化、オンライン化、一部伝票類の電子化を推進。また、平成19年11月には、清水鮮魚小売商業協同組合との事業統合を実現し、清水地区にある地方卸売市場の開設者(清水魚(株))との精算代行業務もオンライン化。これにより、本組合及び組合員の精算業務が大幅に改善されるとともに、債権回収や与信管理の安全性が高まり、組合の財務の強化と卸売市場での取引の円滑化に大きく貢献。こうした取組は、市場関係者に高く評価されている。統一的な水産物消費拡大日として毎月10日を「おさかなデー」として設定するとともに、魚食普及の手段として魚の特売を積極的に実施。また、水産物の生産、流通、消費、栄養等に関する講演会、調理師との交流・研修会、料理講習会、料理コンクールなどを展開するとともに、市場内施設を利用した組合員を講師とする料理教室の開催、静岡市内の高校への出前授業への講師(組合員)派遣などを通じて、魚食の普及や食育の食材として魚の利用促進に尽力。卸売市場の役割・機能などについて消費者の理解を深めるため、毎年、静岡市中央卸売市場において、開設者(静岡市)や卸業者、仲卸業者等とともに「市場祭り」を開催し、水産物の販売などを通じて消費者との交流に尽力。