受賞者一覧
平成28年度/第38回受賞者
【功績申請の概要】
- ○弊社は、36年間にわたって地域の皆様にお弁当を提供してきたが、36年続くことは容易ではない。しかし、大量の弁当を短時間で作るには原点の手作りは困難。原点は、「弁当=お袋の味=手作り」を念頭におき、従業員とともに変わらぬ味の追求と、その中でも環境変化に対応し新しい事業機会を見出し、社会やお客様に価値ある商品を提供する ことが肝要であると考える。
- ○当社の主力商品である「オフィスランチ日替わり弁当」であるが、あえて、小型工場を作ることによって、それぞれのニーズに特化した専門工場を作ることで、各工場の特色ある商品の生産を行っている。毎年、同じ営業・生産を繰り返すのではなく、食生活を取り囲む環境変化などに対応して自社の現状や課題を見極め、自社の業績をアップさせるため商品力の向上、事業の派生化、自社の経営の向上を図りつつ、お客様のニーズに応え、経営スタイルを変化させてきた。 ○お母さんが子供達のために、健康を願って心を込めて作るお弁当を目指している。合理的に考えれば、大型工場を拠点として大量生産をはかることが一般的であるがあえて小型工場で、各工場の特色ある商品の生産を行うことでお客様の多様化するニーズに対応している。
(経営近代化・合理化、生産性の改善向上等)
○新たな事業活動の展開による経営の向上
<中学校向けお弁当給食>
現在中学校で給食が普及していない地域へ食育活動の推進を進めていく中で、教育的立場から基本となる知育・徳育・体育に並び食育に関心をもって頂く機会が増えていることは、共に経営の向上にも繋がっている
<小規模食堂の運営>
・社員の方が、毎日必ずとる昼食時間の為に、用意された社員食堂で、会社に負担の掛からない、そして社員の方々が楽しく活用できる運営方式として、当社の工場形態を利用し各工場の個食惣菜を日替わりで提供している。それぞれの工場には、料亭、ホテル等で活躍した、和食、洋食、中華のプロの料理長を配している。また、新メニューの考案は、ダイレクトに意見も聞く事ができ、新商品の開発に直結している。
○設備導入、工程見直し等による生産性の向上
・中学校給食専用工場をドライシステム工場に設備投資した。このことで衛生管理上、有機物や水分を落とさないため最近の繁殖を防止できるとともに、床からの跳ね水による食品の汚染も防止する。ドライシステムは、床に水が落ちない構造の施設・設備、機械・器具を使用し、床が乾いた状態を維持できる。
○新製品開発による市場開発
・中学校給食は、温食、冷食、カップ(汁物)を専用カートに入れ、家庭の食事を給食として各学校へ提供している。専用カートは常に一定の温度を保つため、工場内に専用の保管室を作り温度管理の徹底を行っている。お弁当の出荷時の温度記録、学校へ納品した際の温度記録もすべて記入し毎月、役所へ提出を行っている。各学校、クラスごとに温かいものは温食
カートに、冷たいものは冷食カートに入れて納品する。汁物はカップに入れ、温かいものは茶色の容器に冷たいものは白色の容器に詰め提供している。このような仕組みを行っている学校は全国的にも少なく、この仕組みを知った学校より 問い合わせが増えている。
・カップオードブルの開発:オードブル(鉢盛)は、見た目は綺麗だが食べていくうちに形が崩れていき見た目が良くないとの意見があり、見た目もきれいで衛生的なオードブルの開発を行う。この開発によって、生みだされた商品が「カップオードブル」である。カップ一つ一つに丁寧に食材を盛付け、見た目も美しくさらに衛生的に食べられる商品を提供できるように取り組んだ。
○販売促進
・企業食堂にてバイキング形式の昼食を提供:企業様から、社員食堂はあるが、火・ガスが安全上使えない、そしてお弁当スタイル以外はないかと要望があり、新たなる販売方法を生み出すプロジェクトを発足した。計画をたて、弊社の強みである、各グループでそれぞれの特徴ある食材を詰めたお惣菜を製造し、バイキング形式で、ご飯は炊飯ジャーで温かいご飯を、汁物は保温機能の寸胴に入れ、現地で再度IHにて温めるというスタイルを提案した。
○従業員の資質の向上のための取組み
・幹部育成経営塾では、外部コンサルタント(講師)を招き、経営戦略を学ぶ場である。戦略フレームワーク「環境分析」KSF(成功のため鍵と要因) →「戦略立案」STP(対象は誰か、市場はどこか)。→「戦術具体化」4P(具体的な方法)など戦略及び会計管理など学ぶ。
・開校の結果、マネジメントスキル向上につながっている。実績としては、高校の学食及び売店経営を運営している。(・福岡県立修猷館高等学校食堂兼売店、九州産業大学付属九州高校食堂兼売店)
○独自の製造方法及び技術研究開発の推進・充実
・当事業の開発体制としては、管理栄養士を中心に、日替わり弁当のメニューを立てている。日々情報収集し、ニーズに応えられるよう研究をしている。
-メニュー構成(管理栄養士)↓
-メニュー会議(管理栄養士・栄養士・製造社員・仕入れ部門長)↓
-サンプルメニュー会議(管理栄養士・栄養士・製造社員・仕入れ部門長・営業社員)↓
-メニュー決定→メニュー表作成(栄養士)
※天気・メニュー・製造数・販売数を記録し、そのデータも分析しつつメニュー構成も行っている。 ※※はたなかグループは、それぞれの工場に、管理栄養士(栄養士)・料理長がおり、それぞれの工場で、献立をたてている。
○その他の経営改善措置等
・お客様に合わせて会社を分社化する。会社を別にすることで以下の3つで経営改善を行った。
①小さな組織づくり(従業員のモチベーションアップ)
各工場に責任者、調理師、栄養士、盛り付けメンバー、配送スタッフを配置しており、
それぞれ売上、仕入れ、経費、経常利益を管理している。
各個人責任感が芽生え、モチベーションアップにつながり、売り上げアップにも繋がっている。
②リスク分散
工場複数可体制は、予測不可能な天災及び食品事故により工場が稼働できない場合、分業化を
している。
③各工場で協力し、企業様へ各工場の商品を持ち寄り営業及び販売展開することにより、シナジー
効果が生まれる。
④中学校工場は、春休み・夏休み・冬休みと学校が稼働いていない時期は、行楽シーズン・年末年始
オードブル等他工場が繁忙期の時期であり、人員不足・工場製造数が多く大変だったが中学校
工場での製造や、人員の有効配置ができたことにより、グループ内の売上アップに繋がった。
(原料原産地表示の取組)
・新米の時期、契約農家より新米の時期に仕入れてお客様に喜んでいただいている。地域は、岩手県と本阿蘇と契約している。その他の月は、国産米(特に九州産を使用している)