受賞者一覧
令和6年度/第46回受賞者
食品流通部門[個人](2024)
農林水産大臣賞
三木 讓
所属:福井中央魚市株式会社(社長)
所在地:福井県福井市
業種:水産物卸売業
【功績申請の概要】
- 〇昭和59年4月に福井県漁業協同組合連合会に入社後、平成2年3月に福井市中央卸売市場の水産物卸売業者である福井中央魚市株式会社に入社。以後34年の長きに亘って水産物卸売業に従事し、業務の近代化・高度化に取り組み同社の発展・成長に尽力。 また、生産者と消費者をつなぐ商品をコーディネートすることに尽力。養殖事業や自社商品の企画開発にも挑戦。同社は、「魚の価値を創出し、消費者へとつなぐ商社機能を持つ水産物の卸会社」に成長。 〇「トラウトサーモン」の養殖プロジェクト(平成26年)、「ふくいサーモン」の県との共同ブランド化、内水面養殖「ふくい名水サーモン」(令和6年)など、県、大学、研究機関などと連携した養殖事業を推進。 〇(一社)全国水産卸協会の理事として、改正卸売市場法、改正食品衛生法によるHACCPの導入、改正消費税法及びインボイス制度の導入及び水産物流通適正化法等の制度改正や制定に当たり、改正内容の普及・啓発に努めその円滑な実施に尽力。
●功績申請の具体的内容
(し界発展への寄与)
【福井中央魚市株式会社の役職員として】
○平成17年、販売管理システム改修の際、営業事務等の効率化を進めるほか、営業計数の適時把握や分析が可能なシステムを構築して業務の効率化・高度化を推進。令和5年、受発注アプリの新規導入し、入荷商品を多数の販売先に同時に配信するなど、新たな市場受発注システムの体制を整備し、労働時間の改善も実現。
○産地市場と消費地市場の機能を併せ持つ福井市中央卸売市場は、福井県内で当日早朝に捕れた鮮魚を取り扱う「近海今朝とれ市」を平成18年から実施し、多様化する消費者ニーズに対応。
○安心・安全で安定して消費者に魚を供給する目的から、平成26年に「トラウトサーモン」の養殖プロジェクトを開始し、今では地域ブランドに。また、「ふくいサーモン」の共同ブランド化に関し、福井県と協定を結び、種苗の提供など福井県と協働して中核的な役割。
○平成27年に、「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定、経済産業大臣による表彰。
また、平成29年に、「地域未来牽引企業」に選定、経済産業大臣による表彰。
○令和6年から内水面養殖を本格的に開始、「ふくい名水サーモン」が、淡水サーモンで全国初の「ASC認証」を取得。持続可能な水産業を目指した水産エコラベル認証スキームが国際的に普及する中、加工・流通段階の認証制度の「MSC CoC」認証を取得。
○「水産流通適正化法」の施行に当たり、取引業者への制度理解のための情報共有等を実施。また、水産流通適正化法に対応するシステムの導入、北陸農政局の水産流通過程監視への協力等を実施。
【福井市中央卸売市場協会の会長として】
○平成26年、福井市中央卸売市場の場内の一部を「ふくい鮮いちば」として開放。毎日届く新鮮な食品を一般客が購入可能で、県外の観光客の方々も集う福井県産品のPR施設に。
〇食品衛生法の平成30年の改正を受け、福井市中央卸売市場においてHACCPに準じた衛生管理を実施するため、保健所などと連携し普及・啓発に尽力。
〇令和5年10月からの消費税の「インボイス方式」の導入に当たり混乱が生じないよう、市場開設者である福井市が計画した説明会の開催に協力し、市場関係者のスムーズなインボイス方式の導入に貢献。
【サケマス養殖技術共同研究コンソーシアムの研究統括者等として】
○東京大学、福井県立大学、福井県水産試験場と産学官連携の下、令和2年に農研機構により「サケマス類の日本式海面養殖技術の研究開発」が採択。令和5年には「魚類の海水順応性評価法」を発明し、東京大学と共同で特許出願。また、福井県立大学先端増養殖科学科の新設(令和4年)を主導的に推進。
(業界(団体)や社会への貢献)
【全国水産卸協会の理事等として】
○(一社)全国水産卸協会の理事として、改正卸売市場法、改正食品衛生法によるHACCPの導入、インボイス制度の導入及び水産物流通適正化法等の制度改正等に当たり、その円滑な実施に尽力。
○また、福井県の県庁・各種団体の役職に就任し、福井県の「ふくいの水産業基本計画」の策定、福井県立大学先端増養殖科学科の新設等に貢献。