食品産業優良企業等表彰

【功績申請の具体的内容】

（経歴、人格、識見）

• 永年に亘って乾めん製造一筋に従事し、地産地消にこだわった福島の地場商品として清鶴麺を製造してきた。また、細うどんも開発し、協同組合福島県清鶴会の初代会長に就任した。
• 乾めんを美味しく製造する方法として熟成工程がある。熟成工程は、現在では当たり前のように製麺工程中に取り入れられているが、同氏は独自の麺帯熟成機を投入し、いち早く消費者から支持される乾めん製造を行った。

（業界における指導力、人望）

• 乾めんの地場産業としての商品品質向上の推進役を務めてきたほか、組織の育成に貢献した。具体的には、福島県産乾めんの地元産品である清鶴麺の品質向上、県内産そば粉、小麦粉を原料とした干しそばの開発、育成については、組合員への研修会等を開催して組織強化を図った。全国的には全国乾麺協同組合連合会理事及び常務理事として、乾めん類ＪＡＳ工場として品質管理、乾めんの干しそばの経日変化の試験研究である品質保持基礎データの作成に、委員として参画した。その指導力と人望は高く評価されている。

（専門性）

• 乾めんの歴史は1200年と言われているが、技術開発に終わりはない。地場産業として営々と受け継がれてきたものを守るだけでなく、製めん方法も時代、時代に合わせ、如何に美味しく供するかといった努力を怠るわけにはいかない。氏は、製めん業界で難しいとされている多加水・熟成方法に改良等重ね、永年に亘って研鑽し、その結果として、福島県独自ブランド清鶴麺の開発、そば粉の高配合割合の製めん技術の開発に成功した。

（技術・技能の評価）

• 技術・技能の客観的な評価
  清鶴麺製造業者の組織化を行い、初代理事長に就任した。

（特許・資格等の取得状況）

• 機械製乾めん製麵技能士（厚生労働省）

（公開・普及状況）

• 東日本第震災で放射能の問題で、県産原料の調達が困難となっているが、このような影響が薄れることを期待し、厳しい環境の中、技術・技能を継承するため研鑽を重ねている。

（し界の発展への寄与）

• 乾めん業界は100％中小企業であって、その歴史は古く、従業員、経営者の高齢化が深刻な問題として横たわっている。氏は、このような厳しい環境の中、将来を託した後継者を育成、乾めん業界の模範となっている。

（業界や地域との情報交流等広域的な活動）

• 乾めん業界における寡占化は否めない情況となっている。氏は、東北地区の代表として、法令順守・品質管理・衛生管理等年一回、研修会を開催して、乾めん事業者にこまめな情報等の提供を行っている。

（技術・技能の社会への寄与）

• 東北の夏は短いため、夏の商材であるひやむぎを、冬場の細うどんとして消費者にアピールして食品ロスを減少させている。