受賞者一覧
令和4年度/第44回受賞者
団体部門[個人](2022)
農林水産大臣賞
地原 忠実
所属:鳥取県パン協同組合(理事長)
所在地:鳥取県鳥取市
業種:学校給食パン米飯委託事業、パン製造、菓子製造
【功績申請の概要】
- 明治36年創業の亀井堂入社以来、14年間直営店の店長・担当部長として製造・販売・労務管理に従事。平成12年から代表取締役に就任後、直営店事業の撤退、工場における少品種大量生産に方向転換し、経営の立て直しを図る。昔ながらの手作り風パンへの特化を実施。県内最古・最大のパン屋として業界を牽引。
- 平成13年から鳥取県パン協同組合の理事・専務理事・理事長(平成19年から)として学校給食パン委託事業を牽引。人格円満、判断力秀逸で、衛生・技術講習会等で組合員の資質向上に努めるなど、大きな指導力を発揮。責任感が強く、職務を全うし組合員の相談にも適切に対応するなど、組合員からの信望も厚く、鳥取県パン協同組合に欠かせない存在となっている。
(経歴、人格、見識)
〇人格円満にして判断力も秀逸し、組合員から尊敬の念を抱かれている。平成13年に鳥取県パン協同組合理事、平成19年に理事長となる。衛生講習会・技術講習会を開催し、組合員の資質向上に努めるなど、大きな指導力を発揮。責任感が強く、職務を全うし組合員からの相談にも適切に対応し・的確な回答をするなど、組合員からの信望も厚い。鳥取県パン協同組合に欠かせない存在となっている。
○明治36年創業の亀井堂の社長に平成12年就任以来、鳥取のソウルフードとして有名な自社の「サンドイッチ」「マイフライ」「ラスク」の量産体制を確立し、また、メディア・マスコミの露出を増やし、県外へも販売展開している。県内最古・最大のパン屋として業界を牽引している。
(し界の発展への寄与)
(組織の強化、資質の向上への寄与)
○団体の設立後年数及び組織率(%)
昭和22年6月に鳥取県パン商工業協同組合設立。昭和25年2月に鳥取県パン協同組合に名称変更。設立75周年。学校給食委託加工工場の85%が組合加入。
○会員向け情報提供及び会員外向けの情報発信
新型コロナ感染拡大に伴うリモート会議開催のため、組合から一部補助金を出し、組合員のパソコン環境を整備し、給食全体会議・理事会等の開催を可能にした。情報発信はメール、FAXを活用。会員外への情報発信については、給食週間に合わせ各給食センターへ情報提供している。
○会員向け福利厚生
新型コロナウイルス対策として、衛生管理消耗品、衛生手袋・消毒用アルコール等や、手洗い方法のPOPも配付。安価な白衣、衛生管理製品、材料等の共同購入を実施し、組合員の活動に寄与している。
○会員向け講習会・研修会の実施
HACCPの考え方を取り入れた食品衛生管理の講習会を開催し、組合員工場の3社が県版HACCP認証を受けた。環境整備によりリモートによる講習会開催が可能となった。毎年、給食全体会でアルボース社担当者を講師に迎え、衛生講習会を開催。顧問税理士を講師に簡易課税制度、インボイス制度の研修会を開催。
(経営安定への寄与)
○学校給食の加工賃・特別加工賃が主たる収入源のため、県学校給食会と交渉し、最近10年間で12%の値上げを達成。組合員工場の生産能力を把握し、収入と労働のバランスを考えた給食委託食数の割当を実施した。
(技術向上への寄与)
〇学校給食への米粉パン導入時、県産小麦給食パン導入時に県外から講師を招き、全組合員対象の製パン技術講習会を実施し、県下同一水準、同一規格の実現を果たした。
(外部との連携)
○学校給食会と協力し、鳥取県・鳥取市・JAと協議し、県産米粉、県産小麦使用の学校パン給食の推進をした。令和3年度は米粉6,445トン(全体の7.15%)、大山小麦43,913トン(同48.68%)、国産小麦22,377トン(同24.81%)であり、給食パンに使用する粉の81.04%は国産・県産使用となっている。
○平成13年12月に「災害時における生活関連物資の調達に関する協定書」を鳥取県と亀井堂が締結し、非常事態のパン供給体制を確立した。毎年防災訓練に参加している。
(業界(団体)や社会への貢献)
○業界・団体における活動
・平成28年8月、学校給食炊飯工場の鳥取県版HACCP認定を受けた。HACCP対応につき、パン組合員工場のHACCP認証取得を指導的立場で指導・助言した。
・全日本パン協同組合連合会の学校給食特別委員会の委員として一般衛生管理基準の作成に寄与した。令和元年から同連合会の常任理事として、学校パン給食の国産(県産)小麦化、減塩パンを推進し、県内の学校パン給食の県産小麦100%実施に向け活動。令和3年の県産小麦コッペパンは728万食、年間使用量は43.9トンに拡大。これは全体使用量の約44.8%で、今後50%以上を目標にしている。
・平成16年に鳥取県米粉食品普及推進協議会設立委員として参画し、現在は事務局長として活動。鳥取県パン協同組合の理事長も兼ね、県内の学校パン給食に県独自の配合(米粉80%、グルテン20%)の米粉パン採用に取り組み、令和2年は、年間13万食、6.4トンの米粉を消費した。現在、中国四国米粉食品普及推進協議会の会長も務めている。
・鳥取市菓子工業組合の会員・役員として、地元菓子製造の発展に寄与している。
○業界・団体への寄与
・平成12年以来、鳥取商工会議所の工業部会副部会長として230名の会員を纏め、地域産業の発展に寄与。
・平成28年に鳥取県中小企業団体中央会の理事として現在に至る。
・平成24年に鳥取食品衛生協会の理事に就任。令和4年より同協会の副会長、一般社団法人鳥取県食品衛生協会の理事として食品衛生管理の徹底、食中毒事故防止に務めている。
○社会・地域貢献における活動と寄与
・平成13 年12月に「災害時における生活関連物資の調達に関する協定書」をいち早く鳥取県と締結し、緊 急時のパン製造・供給体制を確立。また、鳥取市食育推進員として製パン教室の講師を務めている。