受賞者一覧
令和4年度/第44回受賞者
【功績申請の概要】
- 当社は、地産地消を推進するため、可能な限り北海道産の原材料を使用するよう努めており、道産原材料の使用割合は、原材料全体(8,568トン)の4割程度を占めている。当社の商品数は1,459点あり、うち道産原材料を使用しているものが1,284点と全体の88%となっており、地元の食材や味にこだわった特徴ある商品づくりを進めることにより、北海道の「食」のブランド向上に貢献している。
- ジンギスカンは北海道を代表するソウルフードのひとつで、平成16年に北海道遺産に選定されているが、当社は昭和31年に「成吉思汗のたれ」を開発・製造し、以降、ジンギスカンの普及拡大に向け、長年に亘って地道な努力を着実に重ねた結果、北海道の食文化として広がり、現在では、郷土料理として定着している。
- 当社は、食育活動にも力を入れており、毎年、札幌市内の約30ヵ所の幼稚園を訪問し、園児と保護者を対象に「ジンギスカンセミナー」を行っている。
- 代表取締役会長である福山恵太郎氏は、一般社団法人北海道食品産業協議会の活動に積極的に関わり、令和元年5月に理事、同3年6月に副会長に就任し、食品産業の振興及び業界の発展に尽くしている。
(農商工連携の推進)
〇国産農林水産物の利用や契約栽培の推進
・当社は地産地消を推進しており、てんさい糖や玉ねぎをはじめ、にんじん、じゃがいも、肉類(牛肉・豚肉・鶏肉)、牛乳、海産物(昆布、ホタテ)など、可能な限り北海道産の原材料を使用するとともに、味噌や醤油などの調味料も道内の食品製造業者から調達し、道産の原材料を活かした食品製造を心がけている。
・当社では、全商品1,459点のうち、北海道産の原材料を使用したものが1,284点と全体の88%を占めるなど、北海道のソウルフードメイカーとして地元の食材や味にこだわった特徴ある商品づくりを進めている。
〇生産者ヘの技術指導等、農林水産業への支援
・主に「おろししゃぶしゃぶのたれ300ml」に使用する大根おろしは、おろししゃぶしゃぶの味わいに合うように、農産冷凍食材等を製造している(株)グリーンズ北見[北見市]と共同開発した。
・「りんごのほっぺやきにくたれ」に使用する北海道産アップルピューレを製品に合わせて多少粗目に仕上げたり、おろしのたれ(やきにくのたれ、かけだれ、ざるラーメン等)に使用する北 海道産大根おろしは、食感を活かすよう「おろししゃぶしゃぶのたれ」とは違う粗目のものとするなど、加工先と協力しながら、北海道産素材の美味しさそのものを消費者に伝えるため、出来るだけ加工度を抑えた「北海道産野菜、果実のペースト」、「北海道産畜産物、水産物、農産物のカット加工品」を多く使用している。
〇国産農林水産物を利用した新商品開発
「北海道産」にこだわり、できるだけ北海道産の原材料を使用した新商品の開発に注力している。
〇販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進
土産品ルートと海外販売ルートにおいて工夫するとともに、ウィズコロナ対応の商品開発に取り組んでいる。
①土産品ルート
・持ち運びしやすいよう、瓶ではなくペットボトル入りの「ジンギスカンのたれ」や、箱の中に個食用小袋タイプの「ぶた丼のたれ」、「スープカレーの素」、地域の有名店とタッグを組んだ「有名店のレトルトカレー」などを土産専用品として特別に開発し、土産屋専門の販売問屋と組んで、新千歳空港の売店などで販売している。また、土産専用品を本州の量販店チェーンに提案し、北海道フェアなどで販売している。
②海外販売ルート
日本で製造したものを輸入販売することを目的として、ベトナムのホーチミン市とハノイ市に販売会社「ベルフーズベトナム」を設立した。進出先としてベトナムを選んだ理由は以下のとおりであり、家庭用商品を中心に販売が毎年右肩上がりで伸び、2021年度の輸出額は約4,400万円に達している。
1)親日国であり、製品への宗教的制約がない:当社製造の「たれ」や「ソース」、「スープ」類にはポークエキスを含む製品が多く、ハラル対応ではないので、進出先はイスラム教国でないことが必要。
2)市場として魅力がある:タイやマレーシアよりも人口が多い(9,554万人)うえに、平均年齢は30.4歳と若く、今後も人口が増えていくことが予想される。一方で、一人当たりGDPはタイ、マレーシアより低い(2,353ドル)ので、現地職員を雇用しやすい。
3)競合相手が少ない:ベトナム進出の日系企業はタイやマレーシアよりも少なく(約940社)、かつ、業種として競合するのは韓国から進出している焼肉のたれメーカーだけ。
③ウィズコロナへの対応
家で食事をする、いわゆる巣ごもり需要に起因する家庭用需要が伸びており、家庭用商品を多く開発し、拡売する戦略を取っている。さらに、家族が同じ場所で違うレトルトカレーを食べるとの習慣が常態化してきたため、チキンレッグが丸ごと1本入ったような高価格帯のレトルトカレーの販売に力を入れている。
(地域農林水産業との連携、地域活動等)
〇地域社会との連携状況
①ジンギスカンの普及拡大
・ジンギスカンは北海道を代表するソウルフードのひとつであり、平成16年に北海道遺産(特定非営利活動法人北海道遺産協議会所管)に選定された。その発祥については諸説あるものの、ジンギスカンが北海道の郷土料理として広がりを見せるのは昭和20年代後半である。当社は昭和31年に焼肉のたれとしては日本初となる「成吉思汗のたれ」を発売した。発売当初は、家庭でジンギスカンを食べる習慣がなかったことから、たれ1箱に特製鍋をひとつ付けて売り込んだり、栄養士を講師に、問屋を招いた講習会を開催するなど、地道な努力を着実に重ねた結果、昭和30年代後半には、ジンギスカンは北海道の食文化として広がり、郷土料理として定着して今日に至っている。
・ジンギスカンと焼そばを融合したB級グルメを通じて北海道の食材や食文化の普及を図るとともに、地域の外食産業の発展への貢献を目的に、平成26年頃に「北海道ジンギスカン焼そばの会」が発足した。当社としても、ジンギスカンの普及とともに、北海道産小麦100%の小麦粉を使用した麺や、野菜等はできるだけ北海道産を使うなど、地産地消にも貢献する趣旨に賛同し、「成吉思汗のたれ」の協賛や北海道フェア等での支援を行うなどにより、北海道の食材や食文化の普及に努めている。
②食育活動
毎年、札幌市内約30ヵ所の幼稚園を訪問し、食育活動として「ジンギスカンセミナー」を実施。これは、保護者にはジンギスカンの歴史や羊肉の有用性について講義し、その間、園児は習ったジンギスカンダンスを披露し、最後に当社のたれで作ったジンギスカン焼そばを食べるというものであり、本州から来ている保護者も多く、ジンギスカンを知ってもらう良い機会となっている。
③その他の地域活動
当社が所属している札幌西法人会が札幌市内7ヵ所の小学校で、六年生を対象に「租税教室」を開催しており、そうした租税教育活動に協力するとともに、毎週木曜日に会社近隣の道路や公園を掃除する地域清掃活動を実施するなど、地域の方々に愛される企業を目指している。
〇地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況
代表取締役会長である福山恵太郎氏は、令和元年5月に一般社団法人北海道食品産業協議会の理事、令和3年6月に副会長に就任し、同協議会の活動を支えるとともに、食品産業の振興に尽力している。
〇地域の雇用先としての貢献
従業員はできるだけ地元から採用する方針であり、求人の際はハローワークを通じて行っている。また、60歳定年後は70歳までの継続雇用を定めており、高齢者の働く機会を確保している。さらに、従業員の健康管理と職場定着のために、従業員が万が一病気等になった場合も、安心して入院治療し職場復帰してもらえるよう、病気入院保障保険に会社として加入している。