受賞者一覧
令和3年度/第43回受賞者
【功績申請の概要】
- コロナ禍により健康を意識した商品を求める顧客の声に応え、糖質を削減して美味しさを残すことが難しい洋菓子製品において、当社独自の技術や原料開発により糖質を大幅に抑え、洋菓子本来の甘味、食感、口溶けを楽しめる商品を開発した。機能性と美味しさのバランスを追求した商品をより多くの顧客に届けるために販路を拡大し、2020年糖質オフ半生商品市場では業界第3位の14.7%のシェアを獲得した。
(栄養・健康に配慮した食品の開発・普及)
〇開発・製造状況
・近年、テレビや雑誌、SNS等のネット発信やコロナ禍による健康ブームにより健康を意識した商品を求める顧客が年々増加傾向となっている。当社では、糖質制限(コントロール)に注目し、「ロカボ」の考えを推進する一般社団法人食・楽・健康協会の山田悟代表理事に賛同し、同協会へ協賛して多くのロカボマーク認証商品を開発・発売している。また、糖質オフ・ゼロ食品の市場は3,000億円を超える巨大市場に成長しており、年々、生産量も増え今後も開発に注力する分野と位置づけている。
〇製造方法の改良・高度化
・一般的に洋菓子の多くは小麦粉を用いて製造される。しかし、小麦粉の糖質は73.3g/100gと多く、このままでは糖質コントロール製品を作るには困難であった。そこで注目したのが小麦粉の約1/5の糖質(15.5g/100g)であり健康にもよい大豆原料や加工デンプンなどを一部小麦粉の置き換えとして採用し、当社独自技術の配合により、糖質を抑えることによるデメリットであったコク感の減退や小麦代替原料である大豆の臭みやパサツキにより食べにくい生地を大幅に改善することで「おいしさ」を維持しつつ健康に配慮した商品の製造を実現した。
〇研究・開発体制
・顧客から要望のあった内容等を基に市場調査を行い、素材メーカーの助力を得ながら「機能性」「嗜好性」や手に取りやすい価格帯など多方向より情報を収集し商品開発を行っている。また、機能性に優れていても美味しさなど嗜好性に欠ける場合は顧客に受け入れられないことから、試行錯誤を繰り返し、自信をもって世に出せる商品作りを行っている。
〇販売方式や販売ルートの工夫等による販売促進
・糖質10g以下でありながら美味しさに妥協しない商品を意識している。これまでの販路から大手CVSやドラッグストアに拡大している。
〇市場開発・普及度
・2020年糖質オフ半生商品の市場占有状況は14.7%(対前年比148.3%)で第3位。
(外部との連携、社会への貢献)
〇栄養・健康関連の諸機関との連携・協力
・一般社団法人食・楽・健康協会との連携によるロカボマーク入り商品を開発した。
〇社会(地域)への貢献
・あいち子ども食堂へ自社商品を寄贈した。
・大口町を通じて、医療従事者へ自社商品を寄贈した。
(食品表示法への対応)
〇法改正された内容については移行期間内に順次切り替え、対応を進めている。また、年々、栄養成分やアレルギー等の情報を求める声が増えてきていることなどから、食品表示法で必須となる項目以外の成分 (脂肪酸・糖質・食物繊維等)の表示を任意で行うことや、枠内での記載以外に含有しているアレルゲン物質が一目で分かるようアイコン表記する等の工夫をし、商品情報の提供を行っている。