受賞者一覧
平成28年度/第38回受賞者
【功績申請の概要】
- 弊社は昭和38年の創業以来、鹿児島の「美味しいもの」、「珍しい味」を県内外の消費者へお届けすることを使命として事業を展開している。弊社の主力商品である「さつま揚げ」の製造販売は昭和54年に開始、それまで地元でしか消費されていなかった「さつま揚げ」の味の改良に果敢に挑み、特徴である「甘さ」を抑えながらも、さつま揚げらしさを失わない最良のバランスで製造することに成功した。現在、さつま揚げは、「月揚庵」ブランドとして県内外で広く知られるようになり、生産量も県内では有数の規模となっている。
- また、「炭火焼き黒豚の焼豚」や「鹿児島ラーメン」など、鹿児島らしい商品を製造販売するほか、消費者や取引先のニーズを的確に捉え、贈答用の高級さつま揚げ「瑞月-極-」や新たなお土産商品として開発した「月揚せんべい」、アツアツのさつま揚げを手軽に食べられるようにと開発した「あつあつさつま(黒豚天、明太棒天、チーズ棒天)」、ファストフード感覚で食べられる商品として開発した「魚握(ぎょにぎり)」など、常に新しい・ユニークな発想で国産農林水産物を利用した高付加価値の商品の開発に取り組んでおり、伝統ある鹿児島のさつま揚げの更なる普及と生産者の利益及び安定収入に寄与している。
- また、弊社は、食品の安心・安全な提供を継続して行っていくことを最優先に考え、さつま揚げ業界の中では、いち早く食品衛生管理にも取り組んでいる。2000年5月には、国際的な衛生管理システムライセンスであるHACCP認証を取得し、現在まで認証を継続している。
(農商工連携の推進)
○国産農産物の利用、契約栽培の状況
・さつま揚げの主原料である魚肉は、製造を開始した当初は鹿児島近海で水揚げされた鮮魚を使用していたが、漁獲量の減少や枯渇などにより、安定した原料の確保ができなくなったことから、現在は、安定確保が可能な北海道産の冷凍魚肉すり身のほか、タイや北米といった海外産を使用するに至っている。
・一方、鹿児島県産の調味料(地酒、焼酎、黒砂糖)を使用するほか、さつま揚げに必要な具材(野菜)は、鹿児島県産及び国産のものを積極的に使用することで、国産農林水産物の利用を推進している。
・ま、弊社の主力生産品の一つでもある「炭火焼き黒豚の焼豚」の主原料である鹿児島県産黒豚肉は、2015年度で年間19,140㎏使用しており、こちらも毎年高い推移で安定した量を使用している。
○生産者ヘの技術指導等、農業への支援
・弊社は、顧客ニーズや要望など、納入業者(ベンダー)を通じて生産者との情報交換を行っており、安全で安心な農水産物を、安定した「品質」・「価格」・「量」で、継続して供給して頂けるように、原材料規格書の提出、産地証明書の発行、加工指導等を定期的に指導・支援している。これらの取り組みは、生産者の生産技術等の向上に寄与しており、生産者の所得向上や農水産業の発展に大きく貢献している。
○国産農産物を利用した新商品開発
・弊社は「報恩謝徳」を企業理念に掲げ、常に新しい発想で積極的に商品開発に取り組んでいる。取引先や消費者から特別感のある高級さつま揚げのニーズがあったことをきっかけに2年がかりで開発し、昨年お歳暮シーズンに合わせて販売した贈答用の高級さつま揚げ「瑞月-極-」は、「鹿児島産鰻入りさつま揚げ」、「九州産あわびと有明産海苔の磯辺巻き」、「鹿児島産伊勢海老入りさつま揚げ」、「京野菜入りさつま揚げ」など、国内の選りすぐりの農水産物を使用した商品で、弊社が長年培ってきた製法技術と国産素材の優れた品質をマッチングすることにより、これまでにない上質で上品な商品となった。本商品は、期間限定・数量限定販売にもかかわらず、シーズン中に完売し、お客様のから高い評価を受けた。
○販売促進
・当社は、長年の企業活動により、全日空商事(株)や(株)三越、(株)セブンイレブン・ジャパン等200社を超えるお取引先へ積極的に営業活動をすることで意見交換を行い、「お取引先の声」や当社の行う通信販売等では「お客様のニーズ」を素早くキャッチでき、新商品の開発や販売促進に生かしている。
・また、直営店舗やダイレクトメール、HPで行う新商品のテスト販売やマーケティング調査のほか、顧客リストを活用した「新商品案内」、「先行販売」、「特売セール」や「母の日」、「父の日」等の各種のイベントの情報発信を行い、売上の拡大を図っている。
(地域農業との連携、地域活動等)
○地域社会との連携
・当社取締役会長は、鹿児島県の特産品の生産、加工又は流通業を行う事業者で組織化された「さつまいも産業振興協同組合」の副理事長を長年務めており、各種事業を通じて全国各地に鹿児島県の特産品の価値や特長を発信し、業界全体や地域特産品の振興に積極的に尽力している。また、自治体や商工会議所等が実施する地域観光・特産品PRイベントへも積極的に参加している。
加えて、自然の恵みを享受している食品会社として、廃油のリサイクルやゴミ排出量の削減、製品の歩留まり向上への取り組み等、環境に配慮した事業活動を進めている。また、今年発生した熊本地震の際には、緊急支援物資送付事業に協力し、当社商品の鹿児島ラーメン1800食及び月揚げせんべい2枚入600袋を提供した。
○地域の農協、漁協、地方食品産業協議会等との協力状況貢献
・当社は鹿児島県食品産業協議会の会員で、各種事業に積極的に参加するなど事業面での協力度は高い。また、鹿児島県特産品協会の会員として、主催する物産展等には積極的に参加するなど協力体制を確立している。
○地域の雇用先としての貢献
・当社には、正社員75名、パート・アルバイト35名の計110名が従事しているが、全従業員の97%にあたる107名が県内雇用であり、地域の雇用先としての貢献度は高い。また、女性の管理職登用も積極的に推進しており、平成28年7月現在、係長3名、主任2名、主任補1名の女性管理職が活躍している。
(原料原産地表示の取組等)
・原料原産地表示については、食品表示法に基づいて表示しており、法令遵守に努めている。なお、製品パッケージの原材料印刷欄については、原産地変更に伴うパッケージデザインの変更に膨大な費用がかかることから、表示義務のないものについては表示していないが、商品カタログやポップ等では、積極的に記載し、地域のPRに努めている。